Rick Owens（リック・オウエンス）は、1994年にアメリカ・カリフォルニア出身のリチャード・サタルニーノ・オウエンスによって設立された、パリを拠点とするアヴァンギャルドファッションブランドである。アートとパターンメイキングを学び、独学でドレーピング技術を習得した彼は、2001年にケイト・モスが彼のレザージャケットを着用したことで国際的な注目を集めた。2003年にパリに拠点を移してからは、グラマーとグランジを融合した「グランジ（glunge）」スタイルを軸に、モノトーンのドレープと構築的なシルエットを特徴とする独自の美学を築いた。代表的なアイテムには、歪んだフォルムのレザージャケット、誇張されたプラットフォームシューズ、構造的なドレープドレスなどがあり、機能性と造形美が共存するデザインとして高く評価されている。Dr. Martens、Converse、Birkenstock、Veja、Monclerなどとのコラボレーションも多数展開し、2025年にはパリ・パレ・ガリエラで開催された回顧展「Temple of Love」で、攻撃的な美しさ、包摂的な美意識、革新的なクラフトマンシップという彼の哲学が凝縮された展示が行われた。